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コラム

『法的EBM』のススメ

2020年7月31日

代表理事 坂元彦太郎


私は歯科医師になってずっと心に引っ掛かっていたことがあった。

歯科医師国家試験に合格後、大学の医局に在籍したり開業医で勤務医を経験したりする中で多くの歯科医師が開業の道を辿っていく。

EBMが言われて久しい我が歯科界も、基本的には勤務医時代の院長先生や先輩に教えてもらったことをベースに診療スタイルやシステムを覚えていくことが多いだろう。(全てがそうだとは思わないが)

もちろんそれが悪いことだとは決して思わない。

そんな中、来院する患者さんのため、興味があることを突き詰めるため、または厳しい競争を勝ち抜くためなど理由は様々であろうが歯科医師に限らず歯科医療従事者は学会や講習会、スタディーグループで研鑽を深めていく。

語弊があるかもしれないが『流派』が違えば『お作法』は異なる。

しかし、話す先生ごとに『お作法』以上に大きく異なることがあった。

『歯科関連の法律の解釈』である。

ずっと引っかかっていたことはこれだ。


『本当は歯科衛生士ってSRPしちゃ駄目って知ってた?』

『クラウンのセットは歯科衛生士にさせては駄目なんだよ』

『クラウンの調整をさせては駄目なだけで、セットはさせていいんですよ』


どうしてこんなにも歯科医師によって見解が異なるのだろうか?


日々の研鑽、つまり治療計画の立案・インプラント・矯正などの学びはつまり野球で言えばゲームプランでありバッティングでありピッチングだ。もちろん野球選手にとってどれもなくてはならないものだ。

しかし、野球でピッチャーはキャッチャーにボールを投げること、打ったらファーストに走ること、スリーアウトで攻守交代することなどルールを知らずしてそのゲームを正しく行えないことは自明である。


足が速いだけの選手でもいい。

一発狙いのホームランバッターでもいい。

いぶし銀の渋い守備の選手でもいい。

もちろん大谷のような漫画みたいな選手を目指してもいい。


でもそれはルールがあってこそだ。


『legal evidence based medicine (法的EBM)』



ルールは我々を縛るためにあるのではなく、我々が安心して臨床を行うためにある。


我々、日本歯科医学振興機構は歯科における法律を正しく周知するための団体でありたい。

法律を正しく理解することで歯科医療の可能性が格段に広がるだろう。

歯科医師のみならず、特に歯科衛生士の地位向上に寄与することを期待している。

そして我々がこれから行う様々な取り組みが、すべての歯科医療従事者の行く先を照らす確かな光となり、日本国民の健康につながっていくことを心から願っている。

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あなたが変われば、
歯科は変わる。

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